https://twitter.com/Tw300ss/status/860826497883308033
上記のイベントに参加します。
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いろとりどり
「テキヤって、、、ステーキ屋さんに?」
苦笑いしながら勝は説明したが徹はよく聴き取れず、とにかく店には違いないとわかり意外に思った。
(本を読んでばかりの物静かな勝くんがお店やさんになりたいなんて!)
しゃがんだ二人の前には、なないろのひよこがひしめき合っている。
「この色のままおっきくなるの?」
と問う徹に、勝が君は何になりたいのと返してそんな話になったのだ。
朧げな徹の記憶の中で「テキ屋」だけが今もなないろに輝いている。
「徹君が知りたがったから」
勝は玄関のたたきでハキハキと述べ、文句を言いかけた伯母の口を遮った。
色の洪水から選ばれたのは青だった。
それは遠い南の海のような、明るく幸福な青だった。
了
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明日、文フリ東京で北陸アンソロジーの残部が頒布されるとのことで協賛。
掲載いただいている「海柘榴」のスピンアウトになります。
昭和の縁日風景の、あざやかな色を思い出して書きました。
「海柘榴」で回想される二人の少年時代には、こういう光景があっただろうと。
興味を持っていただけたらぜひ手に取ってみてくださいね。
ではまた次回!