上記のイベントに参加します。
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傘貼り職人
昔から人類は水のコントロールに手こずってきた。科学が発達しても、雨が降るのはどうにもできない。だからぼくらは傘を差す。いつか古いデータにあった、小人が葉っぱを掲げている絵みたいに。
乾燥のため天井に干されたとりどりの傘を見て「昔はゴミみたいなもんだった」と言う。
「すっかり贅沢品になっちまって」
僕は手を動かしながら、何度目かわからない話を聞き半世紀前の景色を想像する。
「あ、ちょっと小降りになってきましたよ」
「そうか、いくか」
僕らにできるたった一つの贅沢、雨の中の散歩。
B級品といえど師匠の傘だ。
あなたの、傘が好きだ。
あなたの、傘を差す仕草が好きだ。
ご機嫌をうかがうように傘を差す仕草がすきだ雨よ降れ
了
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〆の短歌は題詠で詠んだ過去作から。そこからの解凍小説的なBLを、と人物を今編集中のアンソロでのキャラでやってみました。50歳ほどの年の差ですw 楽しかった~~! ではまた次回☆