オバマ・グルグル5

こんばんは。そういえば書き忘れてましたが、この小浜紹介シリーズはツイッターのふぁぼで回数を決めたので全6回、あと2回。今日は大雑把に小浜の歴史と町並みを紹介します。(北陸アンソロ寄稿の『海柘榴』の主人公の祖母宅が呉服屋という設定で、実際にあるとしたらこのあたりかなとグーグルで見た風景を確かめてきましたよ)


小浜には奈良時代の寺や仏像が多数残ってて、少なくともそのころには都と大陸との行き来を支える港として繁栄していたとされてます。書物に記録として確認されるのは室町時代からで、そのころの町割りの基本は今とほとんど変わらないそうです。
小浜港は日本海へ面しながら左右に小さい半島上の出っ張りがあってその内側は波が穏やかなので非常にいい潮待ち、風待ちの港だったんですね。海運が発達した室町時代には国内外の各地からの船で賑わって、京の都までのいくつかの陸路は重要な産業幹線道路だったわけです。最もにぎわったのは北前船と呼ばれる商船が往来した江戸時代。小浜は海運で物品を集めて都へと運ぶ物流の起点として発展しました。
さて、そういう町並みの特徴と言ったら「蔵」です。今でも蔵、多かったです。


このあたりの町家の造りを見せてもらえる資料館に行ってみました。(案内のおばちゃんとえらく話し込んで昔大阪でOLやってた話で盛り上がったりしましたw)


玄関入口の横にパタンと下ろす木製の台、これは「ガッタリ」といって昔の店の名残り。


間口の狭い京風の間取りをずーっと奥まで行くと




小さな中庭。


その向こうに白壁の蔵。扉が二枚ついていて頑丈な外側の扉は防火用で普段開けっ放しなんだそうです。そっかあ、なるほど!


こちらは山に近い場所、昔の花街だった地区です。


後瀬山を背後にした花街の雰囲気がなんともよかったんです。こっちに戻ってから手を付けた詩画集『泣草図譜』にはこの花街イメージを使いました。


到着した日はあいにく雨でしたが満開の桜が濡れて綺麗でしたよ。
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明日は最終日、小浜城(別名雲浜城)のお話をしたいと思います。ではまた^^

オバマ・グルグル3

昨日話した人魚の海のことは、ご存じなければ八百比丘尼で検索して下さい。
そして海の次にはやはりこれです、洞窟。

まず地図を再確認しときましょう。JR駅から北西へと10分くらい歩いたところ、後瀬山の山肌を縫うように線路が走っていて線路を歩いていけば一番近いわけですけど怒られるからやめてねw 町並みがそれなりに面白いし洞窟の手前に八幡神社という外せない名所もあるのでぜひブラブラしながら空印寺を目指して行ってください。その入口に洞窟はあります。

はい、到着☆

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どんな山の中にあるんかなと思ってたんだけど山じゃないです市街地の外れ。ヒール履いたおじょうさんでも行けるからね。ただ、洞窟の中は足場が悪いから雨が降るとこういうことになります!門が閉まってる!!うそ、やめて?わたしこのために来たんだけど?ww

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わたしは品行方正な人間なのでちゃんと言いつけを守って結局3回トライしました。そして3回目、まだこの札が><
はい、こっからは書かないけどご想像通り。


洞窟の穴の直径は思ったほど大きくなくて「なあんだ」ってかんじでした。平日ですから観光客なんてほぼいません。むっちゃ静かで肌寒くて足元濡れててなんか出そうなムードはありましたが私は霊感がからきし無いので全然大丈夫なのだ^^ 記憶に残ったのは匂いかな。お香の匂いが、岩肌と苔に沁みついていて煙はあがっていないのにものすごく濃い匂いが立ち込めていました。

それから外の椿をしっかり確認。この椿がぐぐってもよくわからなくて、実物見たかったんだ。で、わかったのは「白も赤も一重も八重もいろいろ混じってる」ってことですw どの品種が比丘尼の椿やねん!!って探してもわからんはずですね^^


さて、洞窟の右側はここを管理する空印寺の門。小浜藩主酒井家の菩提寺です、立派。
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地図でわかるように洞窟は後瀬山の斜面に穿たれてて、すぐむこうには線路。空印寺でお墓をうろついてたら電車キターー☆

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明日はまたたべものの話でもしようかな。ではまた♪

オバマ・グルグル1

金沢文フリが終了しました。コラボ花うさぎで参加した北陸アンソロジー『北陸マンダラ』ならびに無料配布の『泣草図譜』を手に取ってくださった皆さまに御礼申し上げます。
泣草図譜は大赤字出血大サービス無配でしたので、これが余ったりしたら世の厳しさを嘆いて東灘の海に身を投じるところでしたよ。


あ、でもコピ本作るのすごーく楽しかったので『泣草図譜2』を構想中だよ!(懲りないw)
次回からは最低限の材料費くらいはいただこうと思いますが、あいかわらず「超少部数制作 & 趣味に走る」の基本姿勢は堅持してまいる所存です^^



さて、ツイッターでふぁぼをもらった5回分の小浜語りをやらなくては。(金沢文フリとコミック締め切り日と重なってて余裕がなかった><)
冊子『北陸マンダラ』は今週末の静岡文学マルシェでも頒布される予定ですので週末に向けて小浜語り『オバマ・グルグル』を連夜更新しますよ。では若狭の海辺へGo!



福井県小浜市のうささんがグルグルした場所☆
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訪れたのは四月初旬、桜と椿の両方が咲いている季節。ちょうど『北陸マンダラ』に寄稿した『海柘榴』のお話と同じ時期です。(もちろん、狙いました^^)
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『海柘榴』の舞台設定は小浜の港町の西側半分になります。(地図:黒の枠線内)
この地区はJR小浜駅から15分程度の徒歩圏内、この枠内の観光名所だけなら半日でまわれるかと思います。


町の南には後瀬山が迫り、その山脇を線路が走っています。そして反対の北側に数分下れば人魚伝説のある海です。
海と山に挟まれたちいさな町には山緑と海の潮の香りの混じった空気がしっとりと漂っていました。
物語を作るときにいつも舞台となる場所をグーグルでグルグルするんですが、それだけでは土地の標高差とか距離感とかを実感しにくいんですよね。そして匂い、こればかりはグーグルじゃ体感できません。今回は桜と椿の花の時期に行けたので花の生命感も、でしょうか。


そして歴史と風情を感じさせるこれらの佇まいもいまはさして顧みられることなく閑散と潮風に吹かれていて、「ああ、これだよな」と『海柘榴』を描きながら感じ続けた寂寥感を何度も現地で反芻しました。一人旅なので余計にそう感じたんでしょうけど^^


しかし食いしん坊のわたしはしっかり安くて美味しい民宿をキープして出かけましたので、寂寥感?うん?なに?そんなことよりこれうめぇ!!!


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眼前に白鳥海岸という『海柘榴』の設定どおりの宿で、お魚三昧!
いい旅でした。

自宅プリンターでレターセット制作(前回の続き)

というのも念願でしたのでこの際冊子とポスカを一緒に入れられる封筒をA4のコピー紙で作ってみよう!ということで設計をして印刷してみました。適当ですw無地は寂しいので松虫草をブルーでオモテだけに散りばめてみました。

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裏はこんなの
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中身を入れたところ
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冊子の厚みがあるので2Lサイズポスカとぎりぎり入っているけど、封書として郵便で出すのは脇の糊付けがちょっとツラいかなあ。普通のお手紙数枚ならまったく問題ないですよ。

初めてにしちゃ上出来です、うん。これからこの基本原稿で紙とデザイン変えていろいろ作れそうです^^
便箋との取り合わせを考えるのも楽しいなー。

あ、ポスカのことはブログでまだ書いてなかったですね。詩画集にポスカが一枚付くんです。昔よく描かれていた和と洋の中間的な美人画をイメージして夏向きの一枚にしました。ハイグレードな紙なので綺麗だよ☆(ダンナのおしごとのをちょろまかしたw)

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えーと、封筒を自分も作ってみようかなって思った人がもしいたらここからダウンロードどうぞです→http://f.hatena.ne.jp/usaurara/20160512154421
下の「オリジナルサイズを表示」というところをクリックしてください。印刷用原稿が出てきます。


さてと、インク買いに行かなくちゃ(また切れた>< 涙)

松虫草(スカビオサ)の花言葉は「喪失」

なんですよ。私は知らなかったんですが、ていうかあの花の和名も今回初めて知りました。

あ、お久しぶりです!みなさんお元気ですか。


わたしはこの春「喪失アンソロジー」なるものに参加してまして、これはタイトルのとおり「喪失」がテーマだったもので調べたんです。
あ、そして下にリンク貼りますが、このアンソロが今夜ウェブ公開されてますのでぜひ見てくださいね。


喪失アンソロジー「物語は須く喪失である」→http://wisriv.hacca.jp/loss/




わたしこの一か月このウェブアンソロと格闘してたんですけどね。最近プリンターを新調したのでどうせならコピー誌作っちゃえ!という気になって。ウェブアンソロなのに、それ以外の要件をあれこれ考えなくてはならずそれが結構時間的にキツかったです。冊子を作るなら和紙で和綴じで作ってみたいという気持ちがあって、それを優先したらウェブ用の絵としての要素とうまく合わないっていうことがやっているうちによくわかったり。まあ、何事も経験ですね!!><


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さて。
まずは関東の岩の多い磯に咲く松虫草↑が、地味ながら簡素な美しさでよいなあと作品に取り入れることにしました。この作品は『海柘榴』という短編小説からイメージした詩画集にしようということを決めていたので、さて後はどういう構成にしようかと悩んで・・・・・・

『泣草図譜(きゅうそうずふ)』というタイトルで9種類の花と短歌形式の言葉のセットを作ることにしました。
九相図というのは人が死んで肉体が朽ち果てるさまを描く日本の伝統的なスタイルの名前、草花図譜というこれも草花スケッチの伝統的なスタイル名。二つを掛け合わせています。

九を泣にしたのはこの詩画集の内容が故人を偲ぶ挽歌であるからで、それはイメージ元となる小説『海柘榴』をお読みいただくと「ああ」と納得いただけると思います。
この小説は6月のなかばに金沢文フリで頒布の北陸アンソロジーに収録予定です。磯崎愛さん原案の小説に私のコミックをブレンドした一味変わった作品ですので、こちらのお話の方も是非合わせてお楽しみいただきたいと思います。


そして今日しこしこ制作していたこの冊子は

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北陸アンソロジーのお買い上げ特典として10冊だけ提供しますので、こちらもぜひもらってやってくださいね☆
なんと、2L版のポストカードも付きます!
金沢文フリ会場で冊子購入するときに「お花の詩画集もください」と言っていただいた先着10名様にプレゼントします。(数が少ないのでなくなったらご容赦を)


ひとまず今日はこのへんで。
冊子の制作過程など詳しく解説を書く予定でおりますので、紙モノ作りたいなって思っている方はまた読みに来てくださいませ。
ではでは☆

写真×短歌 2015.9.15

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芋も蓮と同様、葉にはベルベットみたいな産毛があって水を弾いているそうです。

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このヤツガシラという芋、一時は葉が全部腐ってしまって、この夏の暑さを乗り越えられるかと心配していました。そして回復してからはその成長ぶりに毎日見とれていました。

ところでベランダ園芸を再開するにあたり、鉢に愛着を持つための手はないかと考えついたのが「擬人化」です。
この芋はヤツガシラおろち君という天パのヤンキー兄ちゃん(酒乱気味のコックさん)ということに私のなかではなっていますw(あ、はい。天パコンプレックスですよ!)
すごく手がかかっただけに、この鉢は他より愛着があり脳内会話をよくしていて。そういう気持ちが出た歌だと思います^^

手紙 / 花のうえにも ~ポピー

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シルクシフォンのドレスみたいに風になびく花びらや、その優雅さと裏腹の毛だらけの茎が、まるで出口を求めるかのようにのたうつさまや、種類によっては汁から毒が採取されることなど、かなり魅力的です。さっきぐぐっていたら「毒があるなんて知らなきゃよかったわ」って言ってる人がいて世の中いろいろだなあと思いましたが、あなたは当然「毒=魅力」派でありましょうw


で、わたしにとっては「ポピーといえばこの朱赤」なのですが、それが印象づけられたのは映画「ブラザーサンシスタームーン」によってです。(アッシジのフランチェスコの半生を描いたもの、とても美しいので未見の方はぜひどうぞ。おにーさん方も綺麗ですw)

イタリアの田舎では麦畑にこの朱赤のポピーが群生するらしくて、作中でもなだらかな草原を男女二人が走ったり座り込んだりしてゆるやかな時間を過ごしていました。近寄らずにゆっくりとパンして、まるで鳥が草の茂みからちらちらと姿を見せるような画面です。さすが愛の交感もストイックだな、格調があるなあと印象に残っています。(愛の交感=セックスという意味ではありません、ここでは)


この南ヨーロッパ原産のシャレ―ポピーは(日本では雛芥子と呼ばれています)赤い色のものが名画でもよく描かれていて目にしてはいたけれど、それがやっと映画で実感できたんだと思います。特に高さが。

さっき見つけたカンツォーネをオマケに貼りますね。
冒頭でガチョウの父がポピーの花を食べたがる娘に「ポピーの花は高い高い、お前には無理だ」と諭しているそうです。
パパ-ヴェリ(ポピー)とパーペレ(ガチョウ)www.youtube.com


参考に、ポピーの主な種類3つの草丈を。
アイスランドポピー(30cm~40cm)
ヒナゲシ(40cm~70cm)
オリエンタルポピー(60cm~100cm)
だそうです。
そしてヒナゲシが一番茎が細いんですね、優雅さでは3種の中で一番だと思います。


蝶の着物を見せていただき、ありがとうございます。浅葱の濃淡の蔦が絢爛さを引き締めていて素敵ですね。これがお似合いになるなんて羨ましい限りです。
わたしも今日は今一番お気に入りのポピー柄(たぶんオリエンタル種)の単衣を載せておきますね。組成がよくわからないですが花の部分は絹糸だろうと思います。洋の雰囲気があるので、サンダルを合わせてカジュアルに着るのに重宝しています^^

あ、着付けの話がしたかったけど長くなるからまた次にw



さて、ポピーのことを話していて幻の青い罌粟のことを思い出して検索していたら、堀文子さんの絵に行き当たりました。今日から始まる展示、その気がなかったのですが4500メートルの地で咲く20センチ丈の青い花がちょと気になっています。それでは、また^^
詳細はこちら→堀 文子【一所不住・旅】展


なお、この手紙は下記リンク先の記事に対して書かれています。
こちらをどうぞ→祖母の誂えてくれた二枚目の大振袖と『百年冷蔵庫』のことなど - がらくた銀河