合同短歌誌(ネットプリント)に2つ参加しました

その1 『珈琲日和』

14名参加の合同歌集。珈琲を題材に一人6首ずつ詠んでいます。



          • 自作の6首

一粒で台無しにもなる 読点( ドロップ )を落としてからがわたしの一日

マグカップ2つに 滴下( ドリップ )してみれば澄んでしまうほどの泥水

抵抗とよべるほどのこともなく銀の匙で三日月 ( ほふ )

欠けた碗捨てて責めらるかなしさが四肢のさきから出てゆかなくて

空をゆく 五月雨雲( さみだれぐも )も過積載こぼさぬようにカップ運びぬ

深煎りのアイスが苦手なのだろう6の字に巻く蝶のストロー



☆この歌集はネプリ配信中。情報は下記参照。

A4両面2枚
白黒80円(カラーなら240円)

セブンイレブン
 7/14 23:59まで 51079699
 2枚を1枚→しない
 両面→短辺とじ

その他コンビニ
 7/14 22時まで WFW2YWDWX8
 文書プリント、白黒、両面、横とじ


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その2  『みずつき』

80名参加、一人5首ずつ詠んでいます。なかなか読み応えがありました。

            • 自作の5首

なんべんも空に垂線ひきなおすあの水琴窟の鳴るところまで

ウォオータァアーと叫びたくなる烈しさを押し戻すように傘を拡げて

群青の帳の肢体裂かれればショカショカショカと啼く水茄子

トビウオの跳ねから羽が出るまでの輪廻かさねるように白波

閉じられた二指の間をこじあけて夏へと誘うビーチサンダル



こちらはA5版、全24ページ、80名による480首の「水」がテーマの歌集。
ネプリ配信は終了しています。

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初めてネットで公募されている合同誌に投稿してみたのですが、自分が普段あまり短歌クラスタのひとと交流をもっていないので余計になにがなんやらですw
でもあまり細かいことに気を取られずに、シンプルに、これからも詠みつづけたいなあと思っています^^

合同誌を主宰くださる方々には、心から感謝いたします。
紹介した2誌はそれぞれ #珈琲日和 #みずつき でツイッター検索していただくと情報が出ます。どちらも公募ですので短歌の好きな方は参加なさってみてはいかがでしょうか。


追記:その1の写真でブルーの表紙『七物語』というのは七夕の一日限り配信だった合同誌で、これは公募型ではありません。(未読です)

*[告知] 短歌の折本『ヤマバト』つくるよ

蝉、啼きましたね。もういよいよ夏ってことで昨日扇風機を出しましたw (もちろんクーラーなんか使わないよ!)



さて、夏にはいったころには脳内は秋真っ盛り、というのが創作する人の常かなあと思います。
わたしもちょっと前から日本の秋!ってかんじで次に作る物の助走をはじめているのでした。
それで山鳩など描いてあったんだけど、ツイッターで折本のフェアがあるのを見たのでこのイラストと短歌で折本作ってみたらどうかな。それも拡げて折り直したら文庫本のカバーにもできるようにデザインしたらしばらく楽しめていいんじゃないかなと。

折本フェアについて→  『 折本フェアmini 』 の内容と募集要項: chiche-シシュ- blog





で作りました。試作です。

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短歌は自分の旧作のなかから秋っぽいのを8首選んで、とりあえず配置してみたのですが。
ここまできて「せっかくだから複数の参加者で合同にして楽しんだらよくないかな」と思いついてですね!
ツイッターで募集しました↓





まあ、このフェアは私も現場に直参するわけでもないし一冊置いてもらって閲覧してもらうだけのフェアだからなんも宣伝効果とかないですけど、メールでデータ送りしたらいいだけだからすごく参加はしやすい企画なんですよ。A4一枚ってわりと楽しんで作れるボリュームですし皆さんもいかがですか。

あ、『ヤマバト』に短歌一首で参加するひともあとちょっとだけ募集してます。どなたでも、どんな作風でもOK、「秋っぽい何かを感じる作品だ!」と思うものをお寄せ下さい。参加は上記ツイッターへリプでお願いします☆

Tw300字ss 『灯』

『灯』


山はひと月もすれば枯れ色になろうかという頃である。
境内から下る参道の、何もかもが闇に吸われてほとんど一つになった中に残火のようにほの赤い珠が鮮やかに浮かんでいた。
近づいて手に取ればひとつも熱くはない。むしろ少し火照った手にはにひんやりと感ぜられ、私は思わず唇を寄せてしまった。


「うああ」
声は水に漂う夢と同じで音にならず、手足もまた引力を失くしたように宙を搔く。薄赤く濁った視界を探ると指は緩くカーヴした硝子に触れた。
どうやら球体に閉じ込められているようだ。

硝子を覆う透かしの金が、背後から放たれる光を撥ねて眩しい。
その隙間から眼下に見える白と赤、あれは。


境内ですれ違った巫女の、腰まで届く髪が記憶に蘇った。



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オバマ・グルグル6

こんばんは。最終日の今日はお城の話です。


昨日話したとおり江戸時代までは港湾都市として栄えた小浜ですが、2つあるお城は両方石垣しか残ってません。ひとつは山城の後瀬山城(黄いろ字)、ひとつは海城の雲浜城(青字)です。



1522年 若狭国守護・武田元光が後瀬山城を築城し若狭武田氏の拠点として栄えた

1601年 若狭入った京極高次が雲浜城の築城に取りかかる。が、難航して京極家藩主時代には完成せずに終わる

1642年 出雲にとばされた京極氏にかわって若狭入りした酒井忠勝が8年かけて雲浜城(小浜城)竣工。明治を迎えるまで酒井氏の居城となった

1871年(明治4年)雲浜城内に大阪鎮台第一分営を設置する工事が行われ、その途中に出火し大部分を焼失

1875年(明治8年)に雲浜城本丸跡に藩祖である酒井忠勝を祀る小浜神社が建立される


一つは中世らしい山城、ひとつは港湾都市らしい海城。いいですねえ!どっちもこの目で石垣を確かめたかったんですが山城の方はかなり崩れてしまってて登らないとまったくそれらしいものは見えません。当日は土砂降りだったのであまりにも足場が悪いかとこっちは諦めました。(標高は全然たいしたことないんですが、多少の等高線入りの地形図は持っていた方がいいかと)


で、翌日に海城の雲浜城に自転車を借りて行きました。(徒歩で往復なら一時間程度かな)下は雲浜城方面のズームアップ図です。

ほんっとにほとんど海って場所です。中州なのですよ。二重のお濠の外側は川をそのまま利用しているんですね。内濠は現在全部埋まって宅地になっています。工事が難航したっていうの、地盤のせいじゃないのかなあ、普通こんな脆弱なとこに建てないと思うんだけどwでも、それがゆえに魅力なんです水辺が大好きなわたしとしては^^



のどかでねーー。お城って言ってももうね、あんまり構ってもらってないかんじなの!濠は全部埋まっちゃってふつーのお家が建っててさ、石垣のすぐ横にゴミ置いたり洗濯物干してたりするんですよぅw だいたい小浜の街全部がもう寂れてるので超マイペースなんだ。きっと海水浴シーズンだけ観光地らしいムードに変わるんだろうなあ。雲浜城の周囲は田んぼと畑と人家、ちょうちょとか飛んでて癒されてきましたw




そのときの印象を『泣草図譜』に2枚取り入れて描いています。


『海柘榴』の主人公の従兄・勝くんはアタマよすぎて周囲から浮いてしまうタイプの子で学校でも家でも気持ちが休まらなかっただろうなと思われるのですが、そういう彼がときどきふらっと学校さぼってやってきて寝っ転がったり海を見たりしてたんじゃないかという妄想。

そして、彼がもし地元の高校に進学したならお城から川を少し遡った場所にある県立若狭高校になります。ここの門がかつての藩校で使われていたものを移築してあってむっちゃかっこいい!


長くなりました、最後にお城の好きな方向けに鳥瞰図などあってわかりやすいサイトがあったので貼っておきますね。
ttp://yogokun.my.coocan.jp/hokuriku/obamasi.htm


ざっくりと写真で見て廻る小浜紹介全六回でしたが楽しんでいただけたでしょうか。長らくお付き合いくださりどうもありがとうございました。小浜はまた夏にでも再訪したいと思っていますので、そのときはよりディープな紹介ができるかと思います。
それから、都と大陸との中継地点である小浜の歴史については面白いことがウェブ上でもいろいろと読めるのでぜひご自身でネットを漁ってみてくださいね。では、このへんで☆

オバマ・グルグル5

こんばんは。そういえば書き忘れてましたが、この小浜紹介シリーズはツイッターのふぁぼで回数を決めたので全6回、あと2回。今日は大雑把に小浜の歴史と町並みを紹介します。(北陸アンソロ寄稿の『海柘榴』の主人公の祖母宅が呉服屋という設定で、実際にあるとしたらこのあたりかなとグーグルで見た風景を確かめてきましたよ)


小浜には奈良時代の寺や仏像が多数残ってて、少なくともそのころには都と大陸との行き来を支える港として繁栄していたとされてます。書物に記録として確認されるのは室町時代からで、そのころの町割りの基本は今とほとんど変わらないそうです。
小浜港は日本海へ面しながら左右に小さい半島上の出っ張りがあってその内側は波が穏やかなので非常にいい潮待ち、風待ちの港だったんですね。海運が発達した室町時代には国内外の各地からの船で賑わって、京の都までのいくつかの陸路は重要な産業幹線道路だったわけです。最もにぎわったのは北前船と呼ばれる商船が往来した江戸時代。小浜は海運で物品を集めて都へと運ぶ物流の起点として発展しました。
さて、そういう町並みの特徴と言ったら「蔵」です。今でも蔵、多かったです。


このあたりの町家の造りを見せてもらえる資料館に行ってみました。(案内のおばちゃんとえらく話し込んで昔大阪でOLやってた話で盛り上がったりしましたw)


玄関入口の横にパタンと下ろす木製の台、これは「ガッタリ」といって昔の店の名残り。


間口の狭い京風の間取りをずーっと奥まで行くと




小さな中庭。


その向こうに白壁の蔵。扉が二枚ついていて頑丈な外側の扉は防火用で普段開けっ放しなんだそうです。そっかあ、なるほど!


こちらは山に近い場所、昔の花街だった地区です。


後瀬山を背後にした花街の雰囲気がなんともよかったんです。こっちに戻ってから手を付けた詩画集『泣草図譜』にはこの花街イメージを使いました。


到着した日はあいにく雨でしたが満開の桜が濡れて綺麗でしたよ。
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明日は最終日、小浜城(別名雲浜城)のお話をしたいと思います。ではまた^^

オバマ・グルグル4

こんばんは。今夜は美味しいもの、でしたね。
福井と言えば魚、それも鯖です。私は塩漬けの鯖か鯖寿司くらいしか思いつきませんでしたが、大きなのを串刺しにして丸焼きしたのも有名なんですね。これ↓
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焼き鯖一匹1400円って主婦感覚ではお高い。しかし美味そう!でもこれ今一匹一人で平らげるのは無理だし、高速バスで持ち帰るのもなーーと思って結局やめてしまった。そいで帰ってきてこの写真見たら「やっぱ食べるべきやったんちゃうか」って気がして今は反省している

前日入った寿司屋の大将がお茶漬けにしたら美味いんやと言ってた。茶漬けやったら100円のシオサバでも美味しいとは思うけどw 次回の訪問時はぜひともその違いを追求してみようと思います☆


あとは、ああ、その寿司屋。目抜き通りの。(ほぼシャッター街><)
小鯛の酢漬けを握ってくれたのが美味しかったです。まだちょっと生っぽさが残るくらいの漬かり加減で。こういった小魚の酢漬けも名物なんですね。

んで、そこの大将におすすめの土産を訊ねたら「丁稚羊羹」だった。なかなか地味い名物ですね。けどあっさりしててのど越しがよくて、こうやって↓パフェにアレンジとかしても違和感ない軽さで万能感あるなあと思いました。

もうひとつうちの土産にしたのはお茶。ネットで新商品を見たのです。その名も解体新茶!
多少お薬っぽい味がするんで、美味しい!とお勧めは出来ないけどネタ的にはいいのでは。


それと八幡神社の前にある石窯パンのお店は靴を脱いでゆっくり休めるしパン美味しい。
これはカフェオーレオレンジピール入りのデニッシュ。




一人だったのであんまり贅沢してなくて皆さんを悔しがらせられないのがつまらんなあ!ま、リベンジするさー^^

ではまた明日☆

オバマ・グルグル3

昨日話した人魚の海のことは、ご存じなければ八百比丘尼で検索して下さい。
そして海の次にはやはりこれです、洞窟。

まず地図を再確認しときましょう。JR駅から北西へと10分くらい歩いたところ、後瀬山の山肌を縫うように線路が走っていて線路を歩いていけば一番近いわけですけど怒られるからやめてねw 町並みがそれなりに面白いし洞窟の手前に八幡神社という外せない名所もあるのでぜひブラブラしながら空印寺を目指して行ってください。その入口に洞窟はあります。

はい、到着☆

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どんな山の中にあるんかなと思ってたんだけど山じゃないです市街地の外れ。ヒール履いたおじょうさんでも行けるからね。ただ、洞窟の中は足場が悪いから雨が降るとこういうことになります!門が閉まってる!!うそ、やめて?わたしこのために来たんだけど?ww

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わたしは品行方正な人間なのでちゃんと言いつけを守って結局3回トライしました。そして3回目、まだこの札が><
はい、こっからは書かないけどご想像通り。


洞窟の穴の直径は思ったほど大きくなくて「なあんだ」ってかんじでした。平日ですから観光客なんてほぼいません。むっちゃ静かで肌寒くて足元濡れててなんか出そうなムードはありましたが私は霊感がからきし無いので全然大丈夫なのだ^^ 記憶に残ったのは匂いかな。お香の匂いが、岩肌と苔に沁みついていて煙はあがっていないのにものすごく濃い匂いが立ち込めていました。

それから外の椿をしっかり確認。この椿がぐぐってもよくわからなくて、実物見たかったんだ。で、わかったのは「白も赤も一重も八重もいろいろ混じってる」ってことですw どの品種が比丘尼の椿やねん!!って探してもわからんはずですね^^


さて、洞窟の右側はここを管理する空印寺の門。小浜藩主酒井家の菩提寺です、立派。
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地図でわかるように洞窟は後瀬山の斜面に穿たれてて、すぐむこうには線路。空印寺でお墓をうろついてたら電車キターー☆

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明日はまたたべものの話でもしようかな。ではまた♪