文フリ東京はザネリB30へ

こんにちは。しばらくイベントがなかったですが文フリの季節がやってきました。
まずは5月6日の東京文フリです。2アイテムをオカワダアキナさんのご厚意で置いていただくことになりました!
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詩画集『架空便』はおかさんとの共同作品です。大人のための詩集。
『シズムアンソロジー』は磯崎愛 @isozakiai  瓜越古真 @f_urigoe  紺堂カヤ @kaya_kon 桜鬼 @HanaOniTiriyuku 白河紫苑(出口花霞) @kasumi_deguchiならびに主宰のうさうらら @usaurara 以上6名で執筆した耽美掌編集。廃ホテルとその温室で見る幻想。
どちらも製作はわたしがしました。卯楽々堂謹製の完全手製本です。

それぞれのウェブカタログ↓
c.bunfree.net
c.bunfree.net

ぜひザネリB30に立ち寄って見本を触ってください & おかさんのエロくてエモいお話もぜひ手に取ってくださいませ。
おかさんのほうは『金継ぎ』というアンソロジーが新刊で出ます。純文ぽいかんじだとおもう!ので好きな方はチェックしてください。
そして個人誌最新刊はクマのやつだよ!びんぼーくさい雀荘の話だよ!ずるいよ、そんなの泣けるじゃないか!ううう
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『踊る阿呆』 ウェブカタログ↓
c.bunfree.net

当日いいお天気になるといいな。



また、シズムアンソロのホワイトバージョンは5月27日の金沢文フリにも委託予定です。(委託-38 卯楽々堂)
ウェブカタログ↓
c.bunfree.net

よろしくお願いいたします。

花マップ企画 in テキレボ7

このページは第7回テキストレボリューションズ、通称テキレボ7における有志企画「花マップ」のサイトとなります。
7月16日の海の日(祝日)開催の同人誌イベント、テキレボ7についての詳細はこちらを
第7回Text-Revolutions 開催概要 | Text-Revolutions


当日わたしのサークル・花うさぎは委託で手製本を頒布予定です。うちのサークルは毎回なにかしら花をモチーフに作品制作をしますので、同じように花を使った作品をリストアップして宣伝することで同志を増やせたらいいなと企画を主宰することにしました。また、主宰者が委託参加なので当日担当に豆塚エリさんの協力をいただくことになりました。豆塚さんにこの場を借りて御礼申し上げます。お引き受けいただきありがとうございます。

☆花マップ企画について

主宰 うさうらら @usaurara (on twitter)
会場担当 豆塚エリ @mamen325 (on twitter)
テーマ 花  花が印象的に使われた物語を集め、マップにして会場配布します。

・長期的にテキレボで開催を予定していますので、ゆるく、できる限り主宰者も参加者も負担の少ない企画にします。
・目的として「花が出て来るお話を探すお手伝い」を掲げます。情報が過多になってしまうのを避けるため、本のタイトルとサークル名と花の名前のみ表示します。(個人の書き手の名前は載せません)
・申請後は特に何もしていただくことはありませんが、TwitterでのRT等にご協力いただけると助かります。
・当日は各自で配布場所にマップを取りに行っていただきますようにお願いします。また、一週間前にはウェブ上にあげるとともにネプリでの配信を予定しています。
・当日までの運営は主にツイッターで、全面的にうさうらら(twitterアカウント@usaurara) が行います。ご質問やご意見、ご遠慮なくどうぞ。

☆参加条件
・花が印象的に登場する
・実在かどうかは問わない
・物語中、比喩でなく概念として花である
・ゴブガリ案件OK
・1サークル1タイトル限定


☆参加申し込み
ツイッターのモーメントで指定の投稿へリプライ&DMをください。

ツイッターアカウントをお持ちでない場合は以下の要領でお願いします。

1 以下の文面に必要項記入のうえコピペしたもの

ココから↓
#花マップ に参加します。
1サークル名 
2本のタイトル名
3登場する花の名(複数可)

↑ココまで

2 本の宣伝・紹介文を100字程度で書いたもの

1と2をあわせて usaurara☆yahoo.co.jp (☆は@に変換ください)までメール送付ください。
ご参加お待ちしています。

『恋歌』 お題:試す

上記ツイッター創作小説企画に参加します。

『恋歌』

ウィンドウに硝子壜がつんと立っている。ちいさな櫻貝が描かれたラベルから微かに歌声がきこえた。横に「未知の世界へあなたを誘います。お試し可」とある。

「いいですか?」

少女は店員に促されるまま奥の椅子に座った。女が蓋をひねると、きつい臭いが鼻を突く。それは爪が桜色にかわるたび濃度を増し、ついには少女の最奥まで侵入した。ゆだねる、うばわれる、、、波のように反復する。
「これは櫻貝から作られているんです。二枚貝は、、、」


波音を聴きたい。ピンクの爪がそんな気にさせたのだろうか。入水の目撃談はどれも奇しい。何者かに両手を引っ張られているように見えたという。


二枚貝はいつも片割れと引き合っているのです」


☆☆☆

昨日だったか、インドの病院で酸素ボンベかなんかを運んでいたひとがMRIの電磁に引き寄せられて、酸素がどうにかして爆発したあおりで死んだというのを読んだ。人間どんなことで死ぬかわからんと思った。
それにくらべりゃずいぶんこれはロマンチックです。思春期特有のなにかがそうさせた、ということも考えられますしね。

ところで、爪を塗ってもらうというのはとてもとても性的な行為だとわたしはずっと思っていたので、それがこのように世の中であたりまえの商売と化してしまってちょっと驚いていたりします。どうでもいいことはどんどん進むよねまったく!
ではまた(投げやりなオチですみません)次回お会いしましょう☆

ここすとの周辺案内

前回紹介したイベント ここすと が会期延長して明日まで開催しています。通販も明日までです。
hamabi.net

せっかくなので周辺案内など。


☆焼津に前泊して浜松入りし、朝一でココモさんへお邪魔してブランチ。そのあとすぐお隣のホテルコンコルドへ行き早めにチェックイン。
お部屋、こんなの。前泊の焼津が安ホテルだったので天国だこれ~~と寛ぎましたw
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このホテル、割と安くて大阪までの高速バスが日に2本出ているんですよ。(なので次回はあちこち回って最後を浜松にしようと思いました)


そのあとまずは目の前のお城へ。ココモさんから見えていた緑はこの庭園、桜が咲くと綺麗でしょうね。
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荒々しい積み方をした青っぽい石垣をのぼって
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てっぺんの鳥居からホテルを振り返ります。
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お城を後に駅の方向へいく途中の絵本屋「キルヤ」さん。
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大人が楽しめる絵本も多く取り揃えています。行ったときはふくろうの手作りをしている作家さんの作品が飾られていて、ワークショップの案内も貼っていました。かわいい本、綺麗な本がたくさんの落ち着いたお店です。


そこからさらに駅方面へ下っていきます。繁華街のなかにいかにも海辺の街らしい商店がありました。
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一応店舗もあるんだけど本業は別の場所へ移してやっているそうで、この建物は地元の交流と地域振興のために開放しているようです。


そこからすぐ近い文具店 ブングボックスさん。万年筆の専門店です。東京にも店舗がありますがここが本店だそう。
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オリジナルのインクを眺めるの楽しいんですよね。さほど大きなお店ではないのに試し書きできるように机が置いてあるんです。いくつか試させてもらったりして、結局重いのでオリジナルではない小さい壜の桜色を購入しました。オリジナルインクの一番売れ筋はこの「初恋」、ブルーです。店のオーナーが廃盤になったインクが恋しくて復活させるべくオリジナルを作ったという話など、いろいろお話をお聞きしました。



グルメも。この日はおかさんと落ち合って、餃子を食べることになっていましたのでココモさんおすすめのフォレストガンプへ。
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浜松餃子とは。具がみっちり、味しっかり。そのままかお酢に胡椒で。もやしが必ずついてくる。


おかさんと別れてから駅の土産物コーナー物色。
抹茶のプリン。買って帰ってホテルでいただきました。これはクリーミーで抹茶の苦みもそこそこあり美味しかったです。
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そして味噌饅頭と抹茶クッキー。みそまんは店によってかなり違うらしいですが、これは上品なお味で食べやすかったです。抹茶クッキーはいまいちかなーw
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浜松ではこのほかに楽器博物館に行きました。鍵盤類がさすがの充実ぶりでしたよ。おかさんから聞いて、スーホーの馬頭琴も実際に弾いてみることができました!バイオリンをやったことがあるからいける!!と思ったら意外と鳴らないw ひどい音ww あと、おもったより小さかったです。雄大な音のイメージで楽器もちょっとおっきいんだと思っていました。バイオリンと変わらないかんじです。
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体験できる楽器はそんなにないけど観るだけならかなりの量の陳列。ゆっくり時間を用意して行ってくださいね。綺麗な楽器もたくさんあって眼福です!

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以上、浜松のご案内でした。
わたしの委託品はおかげさまで完売したのですが見本が置いてありますし、他にも読み応えのある本、かわいい作品などたくさんあります。お近くの方はぜひお立ち寄りくださいね☆


追記:通販は2月5日まででした。訂正いたします。ご利用はこちらからどうぞ
hamabi.net

ここすと in 浜松 に行ってきました

あけましておめでとうございます! 
前回ご挨拶を忘れて失礼しました。本年もよろしくお願いいたします。

さて、今日は前回ご紹介したイベント「ここすと vol.1」に先週末お邪魔した様子をお届けします。21日までの開催なのでイベント概要をもう一度貼ります。会期終了後には通販も行うようですのでご興味持っていただけましたらサイトをチェックくださいね。
イベント開催地 アートサイドカフェ ココモ
        期間 1月9日~21日      
        所在地 静岡県浜松市中区元城町109-12
        サイト http://hamabi.net/cocomo/


この記事はまず浜松のココモさん訪問についてざっくり時系列で書いて、最後にあちらのスタッフ田中さんとお話した内容を振り返りつつ新刊『架空便』について書きます。
☆☆☆

今回の旅程は 焼津(泊)→浜松(泊)→浜名湖(浜松に戻って帰路) の2泊3日新幹線の旅。今日は行程のうち、ここすとさん訪問部分だけピックアップしていきます。

日程は急遽決定しましてほとんどノープランなまま金曜朝9時台の新幹線へ。ダイヤが乱れていたため「こだま」で。乗ってみてわかったけどこだまでも座席の前後間隔は結構あるんですね。うちのキャリーケースが抱えられるか心配だったんですが余裕でした。座席を通路側にして失敗したw 今は窓側にコンセント差込口があるんだなあ。
お昼は折り返し中継地点の静岡構内で買った東海のサンドイッチ。今回イベント合わせの新刊『架空便』がトリコロールカラーなのでピッタシ~というオカワダアキナさんからの情報で入手。これはゆで卵の黄味が少し多めの配分なのかな? とんがったところは無いけどコクがあって美味しかったです。パッケージデザインそのままのレトロ風味。

浜松駅に降り立ってみてココモまでが微妙に遠そうなのとせっかくの機会なので遠鉄*1に乗ることに。(キャリーなし、歩きやすい靴なら問題なく徒歩OK。あと、ココモさんはお城の近くなんですがお城のへんがやや丘になった地形なんですよ。駅からはゆるく坂道になっています)

下りてからはお城の緑と横の高層のホテルを目印にゴロゴロと歩くこと約15分で動画で見たかわいい建物に到着。主宰の鈴木さんはお出かけ中で、田中さんが案内をしてくださいました。私はココモの階段で着物の裾を踏みまくりとても恥ずかしかったですw 展示そのものがどういうふうかというのはツイッターで見ていただけるのでこちらをどうぞ。


開催前に一通り作品に目を通してすべてに紹介ポップを貼ってくださっています。また、作家アンケートを事前に回答していたんですが、それが並べて貼られていて出展者のみなさんがどういう方なのかお互いを知る手掛かりになってよい試みだと思いました。他にもいろいろと手間をかけてくださっているのがわかって大変ありがたいなあと思いました。

二階会場、南向きの窓は城の庭園に面してて良い環境。春の桜が美しいとか。

窓の下にブルータス彫像とストーブ、まわりで寝ている子たちは人形でした。よく見るとレコードプレーヤーがあるの、わかるかな。レコードを持ってきたらかけますよっておっしゃってました。(次回があれば持ってこようかと本気で考えた) レコードと本を持ち寄っての読聴会?みたいなのもやったら楽しいんじゃないかなあ。

二階のテーブルで朝昼兼用のカレーと珈琲をいただき、一息ついて周辺スポットのチェック。(会期中は飲食会計が100円サービスになるそうですよ!)

そして話題の?オマケ的な例の屋根裏部屋です。この日は午後からこのコレクションを取材に地元ラジオが来るとのことでした。主に収集したのは鈴木さんのお祖父さまだそうですがよく見ると結構収集年代が広くて面白かった。田中さん曰く「埃を被っていたモノを手入れして蘇らせることに喜びを感じるタイプの収集家だったらしくて」にむっちゃ共感しましたw わかる、わかるわー。(昔から骨董好き)




以上で一旦ざっくり紹介を終わります。ココモさん周辺の絵本やさん、万年筆やさん、餃子やさん、楽器博物館についてまた別記事に書きますね。併せて読んでもらってみなさんに浜松への親近感が湧くとよいな!


☆☆☆
ここからはスタッフ田中さんと雑談した出展作品『架空便』の話を含む創作話です。オカワダさんへの報告の意味もあり、とりとめなくメモしていきます。読んでみたい方はどうぞ。

田中さん 「2冊のうち赤(=オカワダアキナさんのパート)のほうがより日常的なかんじですね」
取り扱っているネタがおかさんらしくしっかり地に足の着いたものなので、そうおっしゃっているのだと思われました。わたしのほうは今回チュウニ的なポエム書く気持ちまんまんだったのでちょっと幻想的なんですよね。薄々それは思ってたけど指摘されるとあらためて「ああ、第三者にも明確なのだな」と確認しました。私がなぜファンタジーテイストに寄せたかというとこの青のテキストの骨子が過去のリアルなできごとの書き換えだったからです。これは成功しているのかどうかまだよくわかりませんが。

田中さん 「絵と文章両方をされているわけですがどちらを自分では主体に感じて制作されているんですか」
とよく受ける質問をいただいて「それは作品によって変わりますし、できるだけ双方が同じ力で引き立て合うような作品が作りたい」と答えました。そこから「出店先になかなか思うようなイベントはなくてどこへ出しても必ずはじっこのほう、、、」という話もしました。

田中さん 「この中で好きな絵はこれとこれです(青は缶と階段、赤は千切れた壁を指して)」
自分がこの本を作るにあたってイメージした画家の名前がポンと飛び出してとても驚きました。ああ、やっぱり絵の人だ!って嬉しかったです。そして抽象と具象の話とかをしました。

あと、手がかかっているのにずいぶん値段が抑えてありますね。これはすごくお買い得な気がしますよと言っていただいたり、何かの話から「僕はこれは詩だと思って読みました」ときっぱりした語調で言われて嬉しかったです。


やはりギャラリーのスタッフを任されている方だけあって、話し上手聞き上手ですね~田中さん。そのあと鈴木さんともお話しましたがとても親しみやすい気さくな雰囲気で話せる方でした。お二人の雰囲気とカフェの雰囲気とが相まって居心地のよい空間になっていると思いました。


さらにオマケ
☆☆
ここからは主にオカワダさん宛てです

夕方にオカワダさんと落ち合って初顔合わせをしたもののなんだかろくにマトモな話ができないままで「これじゃまるでくるみちゃんの話を地で行ってるじゃないか!」と内心自嘲しながら餃子を口に押し込んでいたのは、オカワダさんの新幹線乗車時間が迫っていたためだけではなくてこういった会話の時間を与えていただけたことも理由にあるように思います。
わたしはなるべくオンオフを繋げないで活動する方針なため、これまでリアルで創作の話をするチャンスは皆無だったわけで欲求不満が貯まりまくっていたんですが今回初めてそんなお話をした相手がとてもうまく話を引き出してくださる方で、ましてや絵を描く方だったのはありがたいことでした。「アクセスさえすればそういう相手はたぶんどこにだっているはずだ」から「アクセスさえすればそういう相手はたぶんどこにだっている」になったのが嬉しいです。

おかさんとは特に『昨日のかみさま』の話がしたかったし、そこからひろげてさまざまなことをお伝えしたかったのですがそれを話題にするほどの時間はなくてヒラパーの話などしていたのが今から考えると初デートの高校生みたいでかわいいですね!ww そんな機会が訪れるのかどうかわかりませんが、あったら嬉しく思います。これからもよろしくお願いします。このたびはイベント顔出しに遠いところから駆けつけてくださりありがとうございました。御礼申し上げます。

*1:遠鉄=遠州鉄道は赤に白の斜線が入った2両編成の私鉄で、浜松からしばらくは高架を走ります。駅改札を入るとき何十年ぶり?に切符をぱっちん切ってもらって「おおお」ってなった。で、2つめの駅で降りたら車掌さんが駆け寄って「切符ください」って言うもんだからすごい慌てた!w そんな遠鉄にぜひどうぞ。

ここすとin浜松 に委託出展します

1月9日から21日まで静岡県浜松市にあるカフェギャラリー・ココモさんで手製本2種類を委託頒布します。
インスタグラム https://www.instagram.com/cafe_cocomo/?hl=ja をご覧いただくと雰囲気がよくわかるのですがゆったりやさしい空気が会場に満ちていて、手作り感のある本をめくりながらお茶をするのは楽しいだろうなあって思います。遠いけどわたしも会期中に旅行がてら足を運ぶつもりでいます。お近くの方はぜひいらしてください。また、会期後に通販(送料一律600円のみ必要)が予定されていますのでよろしかったらご利用ください。こちらから→
http://hamabi.net/cocomo/tuuhan.html



イベント開催地 アートサイドカフェ ココモ
        期間 1月9日~21日      
        所在地 静岡県浜松市中区元城町109-12
        サイト http://hamabi.net/cocomo/

出展イベント ここすと vol.1
hamabi.net

出展作品紹介
☆詩画集 架空便(エア・メール) オカワダアキナさんとのコラボ作品
 赤と青の2冊組 白い函入り 1200円
 
 文章は一冊がうさうららで一冊がオカワダアキナさん、絵はどちらもうさうららが担当しました。相聞のようにどことなく響きあう2冊が、読む人の「遠い日」「遠い人」への想いを引き出してくれたらいいなあと思います。




☆短編アンソロジー「べんぜんかん」簡易版
 紙表紙バージョン 和綴じ手製本 240円
 布貼り表紙版でとても好評いただいた六角形アンソロジーの簡易版です。六角形をモチーフに6人がそれぞれ「ちょっとふしぎな話」を書き、そのお話をイラストが繋いでゆきます。オールカラーの内容は簡易版といえど充実していますので、ぜひお手に取ってごらんください。


湛む


水溜りがあるとしゃがんで覗きこむ。地面にぽっかりあいた穴は、どこまでも落ちそうで怖く美しく目が離せない。そんなふうに小さいころから水に湛(しず)む夢想が好きだった。
さて、今日はとある廃墟のことを話そう。
昭和の初めに港を見下ろす山に建ったホテルは、戦争での一時休業と再開を経て廃業となっていた。訪ねたのは廃業から更に10年経過した初夏で、すでに写真集が出るほどその筋では有名だった。熱望する友人につきあい、何も知識を持たずにでかけたのが幸いしたと思う。

夏草を踏み分けて辿りついた廃屋はドアをひとつ潜るたびにひんやりした湿り気を増して洞窟のようだった。突き当りの部屋に入って息を呑む。うす暗い部屋の窓一面がエメラルドグリーンにゆらめいていた。デジャブ――海に沈んだ客船の一室、映画で見た光景。

それがわたしのロマンチックな幻想でもないのだと知ったのは、その後詳細を調べてからだ。建物は神戸が一番華やいでいた時代(誕生した1930年はアールデコの全盛期)に、花形だった大型船を模して造られていた。内部装飾も、のちにだが廃船になる豪華客船の内装を買い取って整えたものらしい。その構造や細部デザインのあちこちが「豪華客船」を匂わせていたのだ。

 
 
 
  

往時にはまわりの木々も手入れがされ、内部も明るくきらびやかだったにちがいない。こんなふうに――海底で浚われる船のように――緑に湛む姿を、設計者は想像もしなかったんじゃなかろうか。
暗がりをくぐりぬけ、最上階の出口を光の方へ踏み込んだとき足元から真黒な影が次々と剥がれていっせいに空へ飛び立った。黒い蝶の群れ。むこうには海。


追記:注意として書いておきますが、おおかたの廃墟とおなじく建物に入れば不法侵入となります。また現在建物はしっかり管理がされ、保存のために寄付を募って見学会など催されているようですので興味のある方はお調べください。