獺祭(だっさい)――テキレボアンソロ寄稿短編 / 約1600字

 なぜかはわかっていない。獺(かわうそ)には仕留めた魚を川べりに並べる習性があり、人はそれを神への奉納になぞらえ獺祭(だっさい)と呼ぶ。

 水が怖いと思うことがなかった。海辺で育ち泳ぎは誰にも負けない。こんな浅い瀬で溺れるなどまさかと舐めたのを悔いるも遅く、少年は気を失っていた。
この行為に理由があるならせいぜい一つ年下の部員へのやっかみといったところだろう。八咫烏やたがらす)はちょうどよいネタに過ぎなかった。しかしこの森の異様な静寂が、さっきまで居た「京都」から遠く離れた異界へと攫われてしまったような不安を生んだ。「悪行を糺(ただ)すから糺(ただす)ノ森だ」という顧問の言葉にスニーカーの水が重くなり、滑稽と思われた三本足の鴉が今まさに木々の奥からこれを裁かんと見ているのではないか、そう思わせるだけの闇と霊気を森はたたえはじめていた。

 動かなくなったことに動転し取り囲んだ少年たちは慌てて獲物を引き揚げ、人が通りかかれば目に留まってくれそうな場所まで抱え運んだ。そして彼らが足早に去ってしまうと森は一瞬閑けさを取り戻したが、それを待つかのような虫の聲に取って代わった。あと十日も経てば紅葉を訪ねる人で遅くまで賑う森は、今はまだ虫の聲とかすかな水音が聴こえるばかりである。
小さな石橋のゆるい円弧に沿い、仰向けの肢体は空を見ている。そこに光が届くほど月は昇りきっていない。
カッターシャツの裾からはさっきまで「三本足の鴉」と貧弱を揶揄(からか)われていた小さな突起が覗き、他の二本とともに揃えられている。それはまさしく神への捧げもののようであった。


 京都と福井県小浜市は古来、人とモノが行き交った。二つを結ぶ道はいくつかあるが、最短の針畑越えは幅の狭い道をアップダウンする最も険しいルートである。「京は遠ても十八里」と言うが、正確には76キロ。トライアスロン競技者の12時間かかる道を、かつて行商人が同じ時間で鯖を担いで運んだという。


 鯖のようだった。濡れて青く光る肢体は動かない。しばらくして、川から這い出し近寄る影が見えた。漆黒の羽根でできた蓑をつけた齢(よわい)三十くらいの男だ。鯖を丸裸にすると顔を近づけ身体の端から端まで舐めるように、いや、実際舌を出しところどころを舐めた。そしてひととおりその儀式を終えると軽々と肩に担ぎ、神事で馬場に使われるまっすぐな参道を南へ向かった。すると背後から黒い馬が駆けて来た。男は鯖を馬に乗せ、境内を出ると己も馬に乗り賀茂川を北へ向かった。



 少年を見つけたのは遠敷(おにゅう)の縁者だった。幼いころ父と川遊びに来て見知っていた。とはいえここ数年行き来がなく、畑から昼をとりに戻って納屋で丸裸の少年を見つけたのだ。わからなくて無理はない。「勝(まさる)」と名乗られて思い当った。勝をあらためて確かめると、朽ち葉と鳥の羽にまみれた体は擦り傷だらけで小水臭と生臭いにおいがした。「可哀そうに、やられたな」と直感したが、それにしては勝の態度が腑に落ちない。

 連絡を受け夜道を飛ばして京都に駆け付けた両親は、翌朝入った知らせに安堵し腑に落ちぬ顔をしながらも「あの子はそういう子なんです。見てはいけないものを見てしまうんです」と言ってそれ以上ことを荒立てなかった。何より本人が何の訴えもせずむしろ何かを達成したように満ち足りた顔を見せるので周囲は何も言えなくなった。引率していた部活の顧問は、制服が警察に届いたことで事件性を疑いはしたもののこれもまた本人が自発的に脱いだと言い張って打つ手がなくなった。
学校側は、宿から濡れた靴の報告を受け嫌疑をかけた数名を咎めもできずにいたが、結局彼らは全員が別件により退校あるいは中退で高校を去ることとなった。


 「昇る朝日を背に、黒い蓑の男とこどもを乗せた馬が根来峠(ねごりとうげ)を越えて来るのを見た」という噂が広がったのは数年後その少年が亡くなったときのことであった。
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まあ、お尻が描きたかっただけやんね?と問われれば「うむ」と頷くしかない!w
この作品は、絵と文章を加筆の上で手製蛇腹本『三角州』に収録しました。

蛇腹の反対面は磯崎さんの「たがそでゆめむすび」。


2つのイベントに委託頒布予定。どちらにも通販的なシステムがありますので、またご案内いたしますね。

イベント参加のお知らせ(テキストレボリューションズとzine展別府)

こんにちは。タイトルの通り、2つのイベント参加が近づいてきましたのでご案内です。

一つ目はテキストレボリューションズ略してテキレボ

10月28日(土)東京浅草で開催。詳細はこちらから→
http://text-revolutions.com/event/


二つ目はzine展別府

11月3日から5日まで3日間 大分県別府市で開催。詳細はこちらから→
https://zinebeppu.jimdo.com/

イチオシのZineというページには出展者それぞれのこだわりなど自己紹介的な文言が記載されています。「卯楽々堂」は13番目ですね、ご参考にどうぞ→https://zinebeppu.jimdo.com/%E3%82%A4%E3%83%81%E3%82%AA%E3%82%B7%E3%81%AEzine-vol-1/


さて、わたしはこのところずっと二つのイベントに向けて2種類の手製本制作をしていました。

☆☆☆☆☆☆
ひとつが『べんぜんかん』というアンソロジーで、六角形をモチーフにした短編集。参加者は公募ののち抽選で、正直主宰のわたしよりうまいひとばかり集まっちゃったよw
参加者:磯崎愛、伊織、うさうらら、オカワダアキナ、凪野基、嘉村詩穂


そんな主宰の面目丸つぶれな本ですが、わたしはお絵かきもするんで絵の方を頑張ってみましたよ!みんなが自分の得意な方向に好き勝手に書いたものをうまくイラストでイメージ繋ぎ数珠繋ぎ!そして手製本ならではの自由闊達なつくりも目指しました。コラボ花うさぎの手製本へのこだわり「手触りの良さ」も。
それからこの本のオマケについてくるヘッドセット(紙製)は、参加者の磯崎愛さんが寄稿してくれたお話にインスピレーションをもらったものです。(磯崎さんのSF的な話が面白かったので、わたしもその話にイメージをもらって書いています) なんのことやら、ですが読めばわかるので読んでください!

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アンソロ『べんぜんかん』 布張りバージョン

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あ、そしてこの本はアンソロということでなるべく多くの人に渡るよう廉価版も制作しました。こちらはテキレボのみの頒布となります。(安い分いろいろ仕様が違いますのでウェブカタログ確認してね!ウェブカタログが公開されたらまたご案内します)

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☆☆☆☆☆☆
もうひとつが『三角州』という蛇腹形式の手製本です。花うさぎの二人で蛇腹の両面にそれぞれ作品を寄せております。

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一応メインが磯崎さんの「たがそでゆめむすび」という恋愛小説? 大人の人情噺ですね。いつものやつです^^ 夢使いの大桑さんが登場、着物ネタ開陳しつつの大人の会話。ゆっくりとした落ち着いた読書時間を楽しんでいただける作品。これは大人三人の恋愛(友愛?)模様を書くと磯崎さんが言うのでタイトルを『三角州』で装丁はこうしますのでってお願いして出来上がった作品です。文字だけ10000字。
試し読みがあります↓
www.pixiv.net


一方その裏側は絵がメインのわたしの作品『獺祭』。京都・下賀茂神社と福井の小浜を結ぶやや耽美な話。これはテキレボのアンソロ(テキレボ恒例のサークル紹介的なウェブイベントです)参加作品です。画像3枚、文字は1600字のショートストーリー。この投稿の次のページに続けて掲載しておきますのでよければどうぞ。
テキレボアンソロって小説は4000字上限なんですが、わたしは画像3枚の投稿方式を選んだのでイラストとあわせてこの文字数に。そして『三角州』のほうにはここからさらに関連の伝説や土地の歴史など盛り込んで和本のムードを楽しんでもらえる作品にして収録しました。

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今回のイベント出展作品では「絹紬を表紙に貼った手製本を作ってみたいな」というチャレンジをしました。アンティークの着物を解体して洗って裏張りをして。手間がかかりますが、ふわっとやわらかく上品な絹織物は触れるたびに愛着を感じていいものです。どちらも500円です。テキレボもzine展も通販的なシステムがありますので、よかったらお手元に☆


通販のご案内は後日あらためてさせていただきます、よろしくお願いいたします。

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テキストレボリューションズの開催地、神奈川県と書きましたが東京浅草の間違いです。お詫びと訂正させていただきます。  (9月24日 19:50)

短歌ハッシュ8月号配信最終日

となりました。配信は セブンイレブン A4 カラー 60円 番号81090618 です。
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今回はツイッターで知ったネットプリントの合同配信企画 紙街01 に参加させていただきました。テーマは「海のいきもの」で、イラストだけのものから文章主体のものまでさまざまなネプリが揃いました。主宰の黒崎さんがとりまとめたモーメントがありますのでご興味があれば閲覧ください。


うちのネプリはいつも通りのイラスト×短歌8首で、モチーフには海藻を選びました。
短歌は「海」もしくは「海松(見る)」をテーマにしています。

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イラストの色合いが優しいふんわりした雰囲気なせいか、集まった歌もふわっとしたのが多かったかな。
わたしは「海藻」と「回想」を掛けて詠みました。あと、「みる」という音を無理やりねじ込みましたw 本当は「海松」をもっとうまく使いたかったんですが。

上記のイラストで、海松は濃い緑の円形で描かれているヤツです。日本の伝統的な文様で、松に似ていることから松と同じように豊かさや稔りを象徴する吉祥としてきものの柄にも使われています。ずっと描きたいと思っていたモチーフでしたので楽しく描きました。

紙街の企画は今後も定期的に続けるそうですので、また機会があれば参加したいなと思っています。主宰の黒崎様、とりまとめありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。

コラボ花うさぎ・制作振り返りノート

こんばんは。今週末開催のイベント「テキストレボリューション5」向けの作業が一段落しまして、おしながきも作りました。
イベントについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ→
Text-Revolutions


おしながき
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そして今日は宣伝がてらフライング的に制作裏バナシをします。今回は「花うさぎ」として登録参加してますので相方である磯崎愛(id:isizakiai)さんとのおしゃべりですよ。ちょっと長いけど5分程度で読めます。ではどうぞ~ 


☆まずは振り返り☆


  テキレボ5向け原稿終了ってことでお疲れ様ですー。じゃあ始めましょう、なにから? 今回の失敗談とかかな 苦労話?ありますか。
私は製本過程の失敗はたっくさんあるけど、内容的にはそんなに思い当らないかな。今回の泣草図譜文鳥編は先祖返り的な本なので、(本来『海柘榴』を出したときに一緒にこれが描きたかった)内容はかなりもう絞られていたんですよ。迷いがなかったなあ。

  お疲れさまです~ 苦労したのは文字数制限と、せっかく蛇腹なのにろくに仕掛けができなかったのが失敗ですかね?


  ああ、それは企画に時間的な余裕がないのが原因ですのでw
文字制限に関してはだいぶコンパクトなもの、書くようになってきたのではと思って見てますけど。二つの作品(アンソロのと蛇腹のと)どちらもそこそこ短いけどちゃんと香りを失わずに書けていてよいなと。

  ううううう>< 蛇腹だから、たぶんやれることいっぱいあったはずなんですよね、まあでも無理でした。。。 製本は素人目にも大変な作業だとおもいました。

  ほら、「やるよやるよ」って言ってあったらさ、腹積もりって言うか。じゃあこーいうのどうだろって普段から算段するでしょ。でもなんにもないところからいきなり「蛇腹!」って言ったもんねw

  たしかにw いきなり蛇腹って言ってましたね。

  つまりは、次回に期待してます(どーーーん)

  ひ~~~、このひと、ほんとにどSだ!!!!! すんごい真面目にいうと、3000字からが勝負で(星新一さんも2~3000字)、あとはやっぱり一万字あると細かいエピソードが入れられるんです。こんかい8000字?でしたっけ?つらかったです。。。

  私は蛇腹のほうはすごくエキサイティングでしたねw ドエロを自分がどこまで描くか、描けるか。

  あ~~~~~ うささんのほうは絵もあるからなああ、蝶の翅の位置取りが凄くよかったです。あれはたぶん、蛇腹だから活きるって感じ。

  そして、一旦ポルノとして作ったものを、どうやってリリカルで美しいイメージの作品に再構成するかっていう試みが楽しかった~

  「抜ける」、ご手淫本!!! あたくし、ポルノは惨敗しましたので面目ないっす。。。 立つ瀬がないw

  そうそう、「ご手淫本」! 気に入っているんですこの裏表記w
あー、10000ならがんばったら作れるかなあ。ページ数多くなっちゃうと厚みが出て蛇腹のデザイン的なバランスが悪くなるので、そこを版の大きさとそうだんしつつ。考えときます。

  なるほど、可読性と大きさの問題もありますものね、一文字ずつ格闘する感じは減るかなあ、一万字あったら。

  いや、格闘はやっぱり同じだけして、そのうえでの2000追加でなきゃ駄目です。@スーパー攻め様

  スーパー攻め様w TLで話題のうささんwww

  絵があるとそりゃ即物的に「来る」ので、文章では歯が立たないところもありますし。「勝ち」だとしてもこっちがだいぶ下駄はかせてもらっての勝ちですねw

  絵のほうが刺激的、というのもありますが、今回はたぶん、わたしが上手くネタを消化できなかったせいです。

  ま、それもこちらが先にネタの設定をしちゃって、そこに合わせて書いてもらったので縛りがキツかったですね。お疲れ様でした!

  でも、縛られたほうが本来の力は出せるものなので、実力が足らんなあとおもいました。。。

  ほんっとに縛られるの好きなひとね。。。w


☆『海柘榴』舞台である小浜のはなし☆

  『海柘榴』の温泉旅館って現地体験?

  いえ、それはネットで調べましたwただホテルや旅館は見てたので、あ、あのへんよさそう、みたいなのをまぜまぜして。

  わたしは昨年『海柘榴』の原稿を終えてからすぐ、という感じで桜と椿の小浜に出かけたんですけど。一人旅がなかり久々だったこともあってなんかこうやたらとしみじみしましたね。街のスケールとか、なんだろう。背に山があるでしょう、あそこ。で、平地がすごく狭くてすぐ海。隔絶とかいうほどじゃないけど、ちょっと離れ里的なわびしさがありますね。そのセットの中に歴史が詰まっているのが魅力。愛さんにとっての小浜と作品制作について少しお聞きしておきましょうか。

  モデルになったひとたちのことを語ると、勝くんのモデルは複数の、じっさいに亡くなったひとたちです。『夢のように、おりてくるもの』で黒髪君が出会う老婦人(学校の先生)の師匠だった夢使いに関しては、わたしの知人の占い師のようなことをしていたおじいさまがモデルです。福井のひとだと聞きました。それから、福井というと、殊能将之先生で、なんとなしに、あちら側へ通じる場所、みたいなイメージがあります。
ひとの死や、慰めようもない悲惨な目にあうっていう現実を、どうやって小説に落とし込んだらいいのかというのはずっと考えていて、ようやくさいきん、これで書けているとまでは言わないまでも、あまりにもこれではっていうふうに思わない程度には文字にできてるかな、ていうのはあります。まあただたんに年取っただけかもしれませんw

  わたしのほうは今回の泣草図譜制作の主人公を最初別の人物で考えていて、でも土壇場でやっぱ小浜は春だ!いま描かなくちゃ!!って。後瀬山の桜が霧雨に濡れて綺麗だったんです。茫洋として。あちこちにある鮮やかなお地蔵さんも、浜辺にあふれてた櫻の花びらも、綺麗だったなー。聖地巡礼してなければ、文鳥編は描いてないですねたぶん。




  行ったひとでなければかけないものがありますね。懐かしかったです。ちょうど、時季もよかったのでしょう。

  愛さんは観光として行ってないから、あの町の観光名所なんかはあまり訪れてないんです?焼き鯖は?w わたしゼッタイリベンジするねん!!>串焼きの鯖


  それ、わたしも食べてないっすよ

――――

  小浜のことを調べているとやっぱり都との結びつきが強い土地で、その因縁がいまなおあるんだなあって感じますね。東京(現政府)への抵抗感っていうか。そういうのが、時流に乗ることを拒んでいて結果大規模開発の旨味も取り逃してしまって、、、というような。でもそういうプライドを捨てない!みたいな。
でも新幹線通るみたいですねw どうなるやら

  ほんとに奈良っぽいですよねエキゾチックな感じがして、京都もなんのかんのと異国趣味があるけど、奈良に近い感じがする。奈良のおおらかさに近い。大陸とちかい。福岡なんかとも、なんとなく似てる気がします。出張しての感覚ですが。

  私も時間がなくてあまりお寺巡りできなかったんです。酒井家の菩提寺のお寺(八百比丘尼の洞窟の)のほかはお初さんのお寺だけかな。あそこは綺麗でした。高いところにあるんです。
八百比丘尼の洞窟は線路がなかったときにタイムスリップして入ってみたかったな!!

  洞窟はロマン!!!

☆キャラクターのはなし☆

  わたしからの枯れてない大桑さんが見たいという要望と「花うさぎ深夜便」ってタイトル聞いて朝チュンを寄こすってね。いや、朝チュン派って知ってたけどw (花うさぎ深夜便はオマケの折本です。イベント終了後にこちらでも公開予定)


  だって、だって、あの、テキレボさん全年齢でしょーーーーーーーーー!!!!(太字ゴシックでお願いしますw)

  でもちんこって30回くらい言っちゃうひとも居るみたいですw >全年齢
あの起こすとこ、好きw (深夜便の話のなかで大桑が女を起こすシーンがある)

  足触るんです、わりない仲じゃないとできないテクニックっすよw 好きというのなら、今回は断然むっちゃんですね。いいキャラだ。ああいう脇役がいると、おはなしにふくらみと味が出る。 (むっちゃん=「泣草図譜文鳥編」の脇役で勝の父親の幼馴染)

  大桑さんって体力なさげだけど長距離ランナー的な良さはありそうでね、ちょっとあったかくなった季節にお仕事依頼したいですw

  色事は観察力があるのでたぶんそこそこ上手いとおもいます(とマジレスw) 体温はあんまり高くないので冬場の湯たんぽにはそれほど役立たずでしょうが、まめなひとなので、お裁縫からお料理からお掃除からなんでもできてよく働きます。

 むっちゃんねえ、いきなりじゃりン子チエになってしまってね!困っちゃったw 美少年と花、、、からトーンが急にコミカルになっちゃって><

  いや、あれがあったからよいとおもいます!!!じゃないと、ロマンチックな話しになってしまう。うささんのコミカルさが、あのはなしを引き締めたと思います!

  自分では結果的によかったか悪かったか判断つかないかんじでした。シリアスとコミカルの配分は今回難しいなって思ったな、そういえば。愛さんにそう言ってもらって今ちょっと安心しましたけど^^
お話の尺がないので(ああいう形式だから文字数があまり増やせない)コミカルさとシリアスさとがシーンごとに明確に切り替わる影響が強く出すぎるんです。大きな尺のなかであればさほど気にならないけど。だからこの点は今回勉強になったかな。
わたしは晃一さんと(大桑さん)のスレスレなお話が読みたいです!!

  リアリティを支えるのはたぶん、コミカルなものなんだとおもうんです。文字を書くだけで悲しいことがおこるふうになるので(@保坂和志さん)、それに抗って書くほうが難しいとおもってます。だから家のなか大変なんだけど、ああいうひとがいて、世の中まわってるという現実をかくことのほうが大事だなあと。

  わたしが人情コメディ好きなのはそれだと思うんですよ。コメディっぽい話なのに読み終わった後しんとするようなのがね、描きたいですねえ。今回二人ともにテキレボではおじコレ企画に参加してて主宰のおかわださんにお世話になりましたけど、おかわださんの書くお話もそういうところがとても自分の好みに合ってるんです。いい企画に参加させていただけたなあって。まだ終わってませんけどw

  あんまりいま、そういう話しが受けないのかもしれませんが。よいものだと思います。おかわださんにはあまりにもお世話になりすぎて足を向けて寝られないレベルです!!!あと、なんだろう、水っぽい濡れぬれとしたひとだなあとおもいました(←どういう意味だ?) 情がある、と言えばいいんでしょうね。

  水っぽいひと、すきなんですよね?愛さんw そうなんですよねえ。あそこまでちゃんと評を書いてくださって。自分の制作もあるのに並行してやってしまうバイタリティに敬服しました。


――――――――

ということで、今回ふたりともがお世話になった「おじコレ企画」とその主宰おかわださんへの謝辞で〆とさせていただきました。
せっかくですのでおじコレ企画のリンクも貼ります。テキレボの作品で「伯父または叔父が出てくる」ものを集めよう!という企画です。多彩な作品がコレクションされております。よかったら覗いてくださいね☆

テキレボ有志企画 おじコレ 
uncle-collection.tumblr.com

そしてそれぞれの作品にとても丁寧な感想、解説をいただいています。ぜひ読んでみてください。作風がかなりしっかりと伝わる良い解説で、なおかつ作品への愛がある文章です。主宰のおかさんの読みの深さとあたたかさに心から謝辞を申しあげます。主宰さま、ありがとうございました。

・磯崎さんのおじコレ参加作品 「街にて赤灯(とも)る」の解説ページ↓

http://uncle-collection.tumblr.com/post/157231711477/街にて赤灯る百花王掲載-作磯崎愛花うさぎ-委託-09more-500
uncle-collection.tumblr.com

・わたしのおじコレ参加作品 「海にて白光(ひか)る」の解説ページ↓

http://uncle-collection.tumblr.com/post/157472227877/泣草図譜文鳥編-作うさうらら花うさぎ委託-09more
uncle-collection.tumblr.com


それでは週末の浅草でのイベント「テキレボ」にエア参加するのを楽しみに、本日はこれで。お読みくださりありがとうございました!

テキレボの委託参加お知らせ & お買い物代行のご案内

さっきツイッター創作イベントの300字ssを書いてお知らせしたとおり、4月1日のテキレボ(テキストレボリューション)に委託を2点お願いすることになりました。以下ご案内です。


☆☆☆

まず、さきほどの記事の『泣草図譜文鳥編』。

ウェブカタログはこちら
plag.me

シリーズ3作目、装丁は前2作と同様の和紙を使った和綴じ手製本。
去年の春に『海柘榴』というコラボ作品の聖地巡礼的に福井の小浜へ旅をしたんですが、この時の花が綺麗で。「描きたいなあ、小浜の春」って思ってたんです。なので現地で実際にわたしが見てきた風景をしっかり取り込んだ作品になりました。旅で得た記憶をなんとか形に、という欲求が満たされて大変うれしいです。(まだ脱稿していませんがw)


もう一冊は磯崎愛id:isozakiaiさんとコラボで出す『百花王』という蛇腹本です。

ウェブカタログはこちら

plag.me

花王とは牡丹の別名で、この本は蛇腹の二面両方から読むことができ片面が赤牡丹、片面が白牡丹のお話です。二人がそれぞれ「ぼたん」をテーマに競作しているので個性の違いがよくわかると思います。
装丁の蛇腹もリアルの紙本でしか味わえない楽しさがありますし、金の函に入っているのを出し入れするのもやはり紙本の醍醐味だと思います。

☆☆☆

この2冊、いずれも『海柘榴』の系譜ですが単独でも読める作品です。


さて、テキレボは東京で年二回開催される同人誌即売会ですが、委託だけでも参加ができることと、まったく参加をしなくてもどこに在住であっても会場で頒布される作品を「代行」というシステムで買えるのがよいところです。
わたしも代行で他作家さんの作品を購入し読み手としても同人を楽しんでいます。

テキスト系同人にご興味をお持ちで、地方在住とかイベント参加がかなわない環境にある方は検討されるといいのではないかと思います。
代行(お買い物代行システム)のご案内ページを貼っておきます。申込の期限が12日までなのでお早めにお済ませください。


テキレボ代行の利用案内→  お買い物代行サービス | Text-Revolutions
テキレボWebカタログ →  https://plag.me/c/textrevo05


また、当日4月1日は浅草でイベントがあります。委託本も見本が出ています。
無料配布も多いしブースの数があってそれなりに楽しめると思います。
入場無料ですのでお近くの方はぜひ覗いてみてください。

300字SS 『影絵』 お題:絵

上記のイベントに参加します。

☆--☆--☆--☆--☆

『影絵』


「小さい頃から得意だったの、絵」
「うん、凄く。特に、、、布団に描くのが!」
「もぅまたー」

万事これだ。
学校が若い子ばっかで、なんとなく一緒に帰るようになっただけとはいえ。
ねえ、色付いた街路樹に夕陽があたってるんだけど、さ。

「あ!ちょっと待って」

言うが早いか、キミは車道に飛び出し空缶を拾う。

「アブナイから」
「キミ、たまに年寄りみたいだよね」
「俺たち紛れもなく年寄りでしょ」


「じゃ、また」を言う踏切まであと30歩。
ひと足ごとに胸でシャッターを切る。
一枚ごとに空は濃く、キミがシルエットになってゆく。


君の手のメートル四方はラボラトリー空の色さえ更新してゆく



☆--☆--☆--☆--☆

前回、ツイッターのフォロワーさんと短歌を入れて300字、トライしてみます!って宣言したのですがツイッター小説的なストンと落とすようなものは難しかった。
ので、今回はこないだの「泣草図譜やまばと編」で出ていたゆうたんと彼女でコミックの一コマ的なのを書きました。(短歌を入れて300字内になっています)
テーマの「絵」も上手く使えたとは言い切れなくてタイトルにねじ込んだしちょっと心残りがありますが、回数重ねるのがだいじなのでまあいいや^^


お読みいただき、ありがとうございました!

テキレボ後記その2(おまけ)

昨日の記事で

「たった10部の委託に、いかに自分が宣伝頑張ったかを見てほしい!」

と言いましたね、それ。

ツイッターの宣伝を全部引っ張ってきて時系列に並べてみました。



7月。まだラフスケッチをしてる頃から宣伝兼ねてツイッターにどんどん










ウェブカタログが公開されてそろそろ気持ちが焦ってきているw








10月です。もうすぐ本番!





合計18回も画像入りの宣伝をしていました!もちろん全部その時々の進捗を報告する画像を作ってです。
頑張ってるでしょう?自分でも正直くどい、しつこい!って思ってました。
でも初めての参加はそのくらいしないと土台がゼロですから。


絵を描かないひと、手製しない、装丁に凝らないといった人の場合でも宣伝で画像を使うことは大事というかかなり有効だと思います。それは別に立派な宣材を作ってもらわなけりゃできないことじゃないと思うんですよ。目立たない、だから売れないと感じている人は「見た人の記憶にとどめてもらう工夫」をしたらどうでしょうかという提案でした。(「目ざわり」という顰蹙もついてくるけどw)


では、また^^