手紙 / 花のうえにも ~ポピー

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シルクシフォンのドレスみたいに風になびく花びらや、その優雅さと裏腹の毛だらけの茎が、まるで出口を求めるかのようにのたうつさまや、種類によっては汁から毒が採取されることなど、かなり魅力的です。さっきぐぐっていたら「毒があるなんて知らなきゃよかったわ」って言ってる人がいて世の中いろいろだなあと思いましたが、あなたは当然「毒=魅力」派でありましょうw


で、わたしにとっては「ポピーといえばこの朱赤」なのですが、それが印象づけられたのは映画「ブラザーサンシスタームーン」によってです。(アッシジのフランチェスコの半生を描いたもの、とても美しいので未見の方はぜひどうぞ。おにーさん方も綺麗ですw)

イタリアの田舎では麦畑にこの朱赤のポピーが群生するらしくて、作中でもなだらかな草原を男女二人が走ったり座り込んだりしてゆるやかな時間を過ごしていました。近寄らずにゆっくりとパンして、まるで鳥が草の茂みからちらちらと姿を見せるような画面です。さすが愛の交感もストイックだな、格調があるなあと印象に残っています。(愛の交感=セックスという意味ではありません、ここでは)


この南ヨーロッパ原産のシャレ―ポピーは(日本では雛芥子と呼ばれています)赤い色のものが名画でもよく描かれていて目にしてはいたけれど、それがやっと映画で実感できたんだと思います。特に高さが。

さっき見つけたカンツォーネをオマケに貼りますね。
冒頭でガチョウの父がポピーの花を食べたがる娘に「ポピーの花は高い高い、お前には無理だ」と諭しているそうです。
パパ-ヴェリ(ポピー)とパーペレ(ガチョウ)www.youtube.com


参考に、ポピーの主な種類3つの草丈を。
アイスランドポピー(30cm~40cm)
ヒナゲシ(40cm~70cm)
オリエンタルポピー(60cm~100cm)
だそうです。
そしてヒナゲシが一番茎が細いんですね、優雅さでは3種の中で一番だと思います。


蝶の着物を見せていただき、ありがとうございます。浅葱の濃淡の蔦が絢爛さを引き締めていて素敵ですね。これがお似合いになるなんて羨ましい限りです。
わたしも今日は今一番お気に入りのポピー柄(たぶんオリエンタル種)の単衣を載せておきますね。組成がよくわからないですが花の部分は絹糸だろうと思います。洋の雰囲気があるので、サンダルを合わせてカジュアルに着るのに重宝しています^^

あ、着付けの話がしたかったけど長くなるからまた次にw



さて、ポピーのことを話していて幻の青い罌粟のことを思い出して検索していたら、堀文子さんの絵に行き当たりました。今日から始まる展示、その気がなかったのですが4500メートルの地で咲く20センチ丈の青い花がちょと気になっています。それでは、また^^
詳細はこちら→堀 文子【一所不住・旅】展


なお、この手紙は下記リンク先の記事に対して書かれています。
こちらをどうぞ→祖母の誂えてくれた二枚目の大振袖と『百年冷蔵庫』のことなど - がらくた銀河