「うちの本」について語ります

こんばんは。今日はツイッターでの企画創作アドベントカレンダーに向けて書きます。
adventar.org
アンケートによりましてテーマは手製本です。+ 予定している「シズムアンソロ」のこと。まず自己紹介を。

絵と文をかくのが好きです。アナログ絵画歴は長いけどデジタルのほうはやっと10年。文は短文書き。持続力構想力がないですねw ときどき短歌を日記がわりに詠みます。Twitterで参加者を募集してイラストのネプリ「短歌ハッシュ」を毎月配信しています。(ハッシュタグ「短歌ハッシュ」参照)
この2年は自宅コピー機での手製本を同人誌イベントで委託しています。個人で活動するほか磯崎愛(id:florentine)さんとサークル「花うさぎ」でも活動。いずれにしても少部数生産の手製本です。過去作品書影をいくつか詰め込んだ画像で雰囲気を見てください。

デザイン
みればわかるけどだいたい地味ですw 昔から地味好み。シンプルイズザベスト。たぶん一般的な同人誌の方向とは逆を向いて走っています。そしていわゆるハンクラが好きっていう層の好みとも違うスキマ産業です。しゃあない、好きなものしか作りたくない。
さて、うちの手製本は綴じ方で2タイプに分かれます。
1、和綴じタイプ 草紙的な気軽な軽やかなデザイン。@400円~500円
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2、蛇腹タイプ 和風味が強くシックで高級な印象なことと、バラバラって扱いづらいんで函入り。@500円~600円
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この2年で

うさうらら個人誌「泣草図譜シリーズ」  →ラフ
花うさぎコラボもの「海柘榴シリーズ」  →シック

という方向性が確立しつつあります。


素材


表紙
表紙の表面は布だったり紙だったりします。これは装丁で一番雰囲気を左右するので私の場合は本をつくるときにここから始めます。装丁がしっかりしないと途中でグラついて進行が一直線に行かず効率が悪いのでほとんどの装丁は構想を練る段階で決めてしまいますね。制作に入ったらよほどのことがない限りデザイン変更しません。
最近は最初のデザインから最終の仕上がりまでかなり忠実に実現できるようになってきたから、尚更最初のインスピレーションが大事に思えています。

表紙は布貼りを今期からやっていますが、好評なので継続すると思います。布はリサイクル着物を解体して使います。解体と洗いとアイロンと芯地貼りをして20~30冊ぶんの表紙をカット。はい、手間ですね。どんだけ布が好きなんだ!っていう人にしかできませんw
着物のリサイクル品はシンエイという店のネットショッピングで購入しています。絹物でも一枚1500~2000円くらい。興味あれば検索を。


本文紙
本文紙はたいてい大直さんの簾の目。この紙は薄くてコピー機印刷するとき一枚一枚手差しをしないといけません。これがうちの手製本のムダに手間がかかっている理由のナンバーワンです。だけど他にかわる紙が見つからないのでしかたない。

・A4で一枚10円
・肌理の細かい和紙である(細かい線画がしっかり再現できる)

この2つを満たすもので坪量80~90くらいのがあれば、ぜひ教えていただきたいです。紙が薄いと蛇腹に仕立てるにも別の躯体が必要になって手間がかかるんですけど、価格は抑えたいのでしかたなく。大直簾の目は10円の紙としてはインクの「ノリ」がよくて線の再現がすばらしいの。。。


価格
一口に手製本と言ってもいろいろです。前回記事で述べたようにうちは高級な仕立ての希少な本を目指してはいません。難しい綴じをやっていませんし、接着はスティックのりと両面テープです。「一般的な材料と簡易な製本で、できるだけいいものをつくる」そして「大衆的な価格で提供する」ことをめざしてます。現在の版型(A6)とページ数で続けるなら今後も単価600円までに抑えたいなあ。



道具

道具は特殊なものはほとんどないですよー。道具箱公開!

ダン箱の低いのを2つ重ねて収納、下には道具を上には作業中のものを。
写真は下の段の中身を拡げたものです。左のものさしからぐるっとまわっていきます。

ものさし3種類、もっと大きなステンレスのものも持ってて壁にぶら下げてあります。この中で印付けに一番使うのはアルミ(右)真ん中は100均のステンレスでカッター用、左のアル助は化粧裁ち用と役目があります。
へら 和裁のヘラは紙を扱うには固くて傷めてしまうので木製のへらのほうを使っています。これは陶芸用の家にあったやつを削って薄くしました。手製本でまず用意したほうがいい道具は?って聞かれたら「へら」ですね。紙を綺麗に折るために必須です。
穴あけ用千枚通し 家庭の裁縫用で間に合います。でも太さの面でちょっとだけ製本用がいいから買いました。
ポンチ どこにでも穴をあけることができると便利です。そして穴の大きさが事務用のパンチでは大きすぎて役に立たない。安いので買うといい。
はさみ 小さい方はさきっちょが薄くて細かいものを切るときとても使いやすい。紙細工をするなら持っていた方がいい。 大きい刃渡りはざくざく切りたいとき用の100均もの。
ホッチキス 回転するタイプです。安いし一応持っている。
接着材  本格製本ならボンドと大和糊を混ぜたのを水溶きしながら塗りますが
   ・インクジェットで印刷している(水に弱い)こと
   ・表紙を軽く柔らかくしたいこと
   ・手軽
   という理由で、うちはスティックのりと両面テープです。
刃物 カッターは刃のしっかりしたのと薄くて角度の小さい(カーブ用)のを用意しています。左端の丸い持ち手のは伊勢型紙の本場で買ったもの。製本にはあまり使いませんけどね、カーブを切るなら刃物も下敷きも専用のものがとてもよかったのでおすすめ。右側の小刀二本は木工用ですが使ってみたら化粧断ちに最適だったので仲間入りさせました。
・その上はペンチと使用済みの刃を入れるケース。しょっちゅう変えないといけない。(めんどくさい)
・左下の角材はサンドペーパーを巻くための。バレンは紙の貼り合わせのとき用。
・左手ダン箱にひっつけてあるのはおなじみクリップです。20個くらいあります。製本では必須かな。
・右手カラーマステ。模様のはほとんど買わない。そして両面テープは幅をいろいろ揃えています。

これを100均のスタンドに立てて収納して、こうじゃ^^

食卓の脇に常時置いてあります。小さい子がいたら置けないですけどねえ。




制作の工夫(うちのオリジナルと思われる部分)

うちの本の売りはどこかなあっていうと製本方法では背表紙部分の工夫でしょうか。自分で勝手に考えてやっているのですが、デザインの選択肢が増えるし見た目がかちっと決まるので気に入っています。和綴じの場合上下に小さい面積のものを貼るけど、あまり古風な「和」になってしまうのは避けたいしこのほうが綺麗かなと。面倒なんですが、こんなかんじで紙を作って挟む。こういう作業もヘラが大活躍です。


手製本についてはこんなとこでしょうか。何か質問があったらどんどん聞いてください。なんにも隠すほどのワザはないですしw


☆☆☆

さて、ここまでお読みいただきありがとうございました!ここからは今後のアンソロ募集について少しだけお話しを。全情報は10日くらいにツイッターで「告知&募集」として流しますので興味のある方は気に留めておいてくださいね。数日募集して多数の場合はあみだくじで決める予定です。お気軽にどうぞ^^

シズムアンソロ 

とりあえず今日ツイッターモーメントを作りました。装丁サンプル画像や紙の種類など手製本情報もつりさげていくつもり。

そして、うちと同様に花のアンソロを編むご予定の豆塚エリさんと相談してテキレボ7で「花マップ企画」をやることにしました!
当日会場でマップを配布します。主宰をわたしがして、当日担当者は豆塚さんにお願いする予定です。みなさん花の出て来るお話を書いてね☆
そして豆塚さんですが、ジャンル混合の花のアンソロを予定しているそうです。小説の場合4000字くらいまでで2月末から3月中旬締め切り予定、今月中に参加者募集するそうですよ。こちらも要注目!

以上、手製本語りとアンソロなど今後のことをお知らせしました。長々とおつきあいありがとうございました。ではアンソロのご応募、10日以降ツイッターにてお待ちしております!