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300字SS 『百日』 お題:訪れ

さるすべり百日紅(ひゃくにちあか)いって書くんだ

冷たくなめらかな肌は何か大きな生きものの骨のようだ。

人骨みたいだろ

触れたことがあるかの口ぶりで言う。

恋人が訪れるのを百日待った女が死んだ場所に生えたんだとか
百日って長い?
百箇日っていうしね。人が涙を涸らすだけの時間ではあるな

物知りな従兄とは2つしか違わない。

百日で死体は骨になるかな?
さあ
やってみようか

咽喉に食い込む指を狛犬が見て見ぬふりした。

ひとつの行為がその相手如何で屈辱にも愛にもなり得ると気付いたのは僕が十二のときだ。
涙を涸らすのが百日どころではすまないことを、そのときの僕はまだ知らなかった。


(了)




これは北陸アンソロ『海柘榴』からのスピンアウトです。
また、このSSは下記ツイッター企画の参加作品です。