グランドに春をついばむ鳩の円陣
こんばんは。
一昨日の午後通りがかった草野球のグランドで鳩が輪になって虫をついばんでいたんですけど、円陣になって士気を上げるおじさんたちみたいに見えて可笑しかったです。(自分の意識が)
お金の賭けはしてないと思うよw
春風が虹色ドロップくぐり抜け
遊び相手を探しに行ったよ
さて、半年間連載してきた短歌と写真のコラボが上記の写真と短歌のセットでもって掲載を終えました。
最終回に対してばにーさんから応答記事をいただいてます。
こちら→
M×U ― 砂を折る ― Vol.24 - ウサギノオト
それで今日はコラボの総括をし、ばにーさんへの返信とここを読んでくださっていた方々への御礼を兼ねさせていただこうと思います。
このコラボはわたしがばにーさんのストックから随時写真を選んで歌を詠み、画像を制作してアップという手順で半年間行われてきました。
ラストの4枚も私が春の気配が感じられるものをと選定したものです。
なかでもトリを務めてもらったこの一枚は
・動きがある
・次につながってゆくかんじがある
・(私から見て)ばにさんらしい一枚である
といった点がよいなと選びましたが、いかがでしたか。
はてなハイクのばにーさんの投稿では公園や遊具の写真が印象に残っていて、この企画では「ノスタルジー」や「メランコリー」といった要素を基本カラーにするかもしれないといったことをばにーさんにはお伝えしていました。『砂を折る』のタイトルも懐かしく切ないかんじを出したくて小さなキャンディーを並べたようなものにデザインしました。
さて、それで実際の短歌はどうだったかというと・・・・・・
大きく逸脱することはなかったものの、半年連載するとなかなかひとつのカラーを維持するのは難しいなと感じました。短歌にはなるべく季節感を取り込むようにしているので季節の移ろいにテーマカラーが左右されてしまうんですよね。それで今回「基本要素というものは企画の期間が長いほど大きく取るのがいい」ということを覚えました。これはちょっと反省点。
あと、この企画をやってみたいと思った理由=「主観がどう変化するのか、しないのか」ということ。
これはあまり変化しませんでした。私の場合はよほど特殊な縛りを設けてでなければそういった種類のものを書かないんだな、書きたくないんだなと再認識した次第です。
というわけで24首がどういうものだったか、今日はまとめ記録をしておきます。自分で一番気に入っているのがどれかなと考えつつ。
写真×短歌コラボ 砂を折る 24首
1 染められた糸の数だけあると思う
一つの海に生きるいのちも
2 ガラス鉢ホフク前進する草の
脚鳴り止んで風が生まれる
3 きんととよブリキの鰭が乾いたら
日ごと澄みゆく空へ飛び立て
4 日本ではパンツと豆腐は一丁で
水の中で泳いだりする
5 オレンジの星が散らばる曲がり角
おしえた風の行方をさがす
6 駆け上がる月のはやさとつめたさを
あと何度ほど思い出したら
7 かぜ渡る虚実のラインを踏みながら
ひとさしゆびでデジャブにジャブを
8 くちべにを探せないまま踏みしめる
熾火のような朽葉のオレンジ
9 なにごともなかったように星は降り
統べられてゆくイエス or・・・・・・ or・・・・・・
10 積みあがるタスクのように朧げな
虚像のラッパはパオン記号で
11 囲われていながら焔は保育器の
赤子のようにおぼつかなくて
12 欲望はばら撒かれたる飴細工
よりもあまくて手に負えなくて
13 木枯らしに回収業者はやさしくて
こわれていてもかまいませんと
14 手の皺をなぞるような意味のない
ことをしないふたりになった
15 初詣あるべき場所に届くため
伸ばされる首・腕・自撮り棒
16 温もりは言葉の檻をやすやすと
ぬけてダウンロードされてゆく
17 漏光に |д・) ソォーッ… と触れた境界は
誘うでもなく拒むでもなく
18 ともづなを確かめながら渡る夜
街はおもちゃを欲しがっている
19 ルールとは暖簾一つで変えられる
それはやさしいそれはかなしい
20 ポケットに突っ込む手にまた春が来て
残り時間を気にして歩く
21 これ以上因数分解できません
「つよさ」だって「やさしさ」だって
22 光さえ届かぬ場所にもきっとある
降りそうな空咲きそうな花
23 きんいろのラッパにつづく花々と
競うように競わぬように
24 春風が虹色ドロップくぐり抜け
遊び相手を探しに行ったよ
一首自選するとしたら
3 きんととよブリキの鰭が乾いたら
日ごと澄みゆく空へ飛び立て
かな。コミカルな印象が気に入って。だけどただブリキの金魚が好きなだけかもしれないwそれって歌の出来とカンケーねえ!!ww
それから、最後にばにーさんへ。
この遊具は春風を捕まえることは出来ない。でも風にふれて、日の長さを感じ、遊びにくる子どもたちによって、春を知ることができるだろう。誰もとどめておくことのできない春風を、誰もと同じようにやさしく見送って、いつも公園で待っている。
M×U ― 砂を折る ― Vol.24 - ウサギノオト
写真を撮ることと歌を詠むことは似ているようでちょっと違うよなあと思います。写真機というワンクッションがある写真表現はドキュメンタリー映画などと類似で、絵や文をもって表現するのとは少しずれた場所にありますね。でもどちらにしろ果てない欲に突き動かされているのは変わりません。
わたしもいつもペンを持ちながら思うんですよ。「モノ」にしたいって。
この衝動があるかぎり私は書くことと描くことことに快楽を見いだせるはずだ、と信じています。
ばにーさん、気ままな企画に半年間のお付き合いありがとうございました。
これからも表現することが好きな人間つながりでゆるーくお付き合いが続けられたらいいなと思っております。
ここを読んでくださった読者の皆様にも、御礼申し上げます。
長らくのお付き合いどうもありがとうございました。