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たんたん短歌 2009 2月

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過去作の引っ越し。2009年2月のもの。


・月だけが壁を越えゆく地にありて闇にも届けよ春の樹のこえ

・寒月は何処に往かむかるがるとひと夜で梢を走り抜けたり

・手を伸ばす梢に寒の戻りたる戻らぬ人の春をぞおもふ

・「あ」と書いて「い」と書いたあと続けてよ石を並べてもハートにはなる

・過ちは天気予報のせいにしてマシュマロから落つ針に刺さるる

・水ぬるむ蛇口の向こうに野菜カゴたまねぎたちがキスをしている

・六畳のあかりはなにを照らしたる人のうちにぞ光ありけり

・飽き飽きて遠き山見る鳥を見るあなたの指におびき出される

・鯛の背に紅さし来たればきみを想う空の上でもよく釣れますか


若かったな、というのは恋の歌がまっすぐなところ。
ものごとを始めたばかりというのは何事においてもそういうものなのだと思う。
「もし~~をやるならこんなふうにやってみたい」という欲望へわき目もふらずに向かっていって、
そういうものが満たされると今度はなりふり構わずやるのが難しくなってしまうんだけど。


それでも書き留めたいなにかが、いまも日々生まれてはくる。