水溜りがあるとしゃがんで覗きこむ。地面にぽっかりあいた穴は、どこまでも落ちそうで怖く美しく目が離せない。そんなふうに小さいころから水に湛(しず)む夢想が好きだった。 さて、今日はとある廃墟のことを話そう。 昭和の初めに港を見下ろす山に建った…
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